世界各国の「文化」や「今」を紹介する講座
「世界をのぞこう!」を開催しました。
今回は「中国編」です。
☆日 時:2019年8月3日(土)
10:30~12:00
☆場 所:国際プラザ(市民交流センター2階)
☆講 師: 刈谷市内で働いている
朱世娟さん 韓金環さん(お話)
张迪さん 李真璐さん
(中国女子の好きなおやつを作ってくれました)
漢服の紹介するグループの杨颖さんと
8人のモデルさん
隣の国の中国は、広い国土に多くの少数民族と漢民族が暮らす国です。
中国で大学卒業後、刈谷の会社に就職した少数民族出身の2人に、少数民族の特徴を中心にお話してもらいました。
また、中国女子が好きな開花饅頭を手作りしてもらい、おしゃべりするときにはつきもののヒマワリの種スナックとジャスミンティーとともに試食しました。
南部地方担当は大理市出身の白(ペー)族の朱さん。
中国全体では、56民族。人口の92%は漢民族で、8%が55ある少数民族です。少数民族は大多数である漢民族と同じ権限が与えられており、互いに尊重しています。民族内では自分たちの言語を使用しますが、学校では共通語を習います。名前も民族名と共通語名を持っている人が多いです。
少数民族のうち最大の民族はチワン族で約1692万人、最少はタタール族で3556人。朱さんのペー族は193万人で真ん中くらいに位置します。
南部は民族ごとの建物に大きな特徴があります。世界遺産の福建土楼(円形の集合住宅・福建省)や東南アジア(タイ)に近い雰囲気を持つ景洪、古都の美しい屋根が連なる麗江や大理(雲南省)など、それぞれ個性的な建築様式があります。
文化については、景洪のダイ族は言葉もタイ語に近く、行事もタイで有名な水かけ祭りに似た祭りがあります。また、千年以上の歴史がある文学と音楽に長けた民族で、独特の楽器を使い、多彩な音楽と踊りがあります。クジャクを模したおどりが有名です。
麗江のナーシー族(32万6千人)は東巴文という世界で唯一色のついた、色が意味を持つ象形文字を使っています。(世界記録遺産)
大理の白(ペー)族は文字を持たない民族で、火把節という五穀豊穣を祈るたいまつのお祭りがあります。白地の民族衣装と特徴的な頭の飾りがあります。
ミャオ族は万物に霊魂が宿ると考えている民族です。女性の衣装の種類が一番多く、頭の飾りだけで数十種類あります。
北部地方はモンゴル族、瀋陽市出身の韓金環さん。
北部では故宮や万里の長城を思い浮かべますが、今回は少数民族のモンゴル族(内モンゴル自治区に住む人たちとそれ以外の市街地に住む人たち)の暮らしや満族の特徴を中心に日常生活のことを話してもらいました。
内モンゴルに住むモンゴル族の中には、遊牧民として移動できる家「包」(パオ)に住み、料理は肉の塊を使う大胆なものや乳を固めたものなど食べている伝統的な生活をしている人たちがいます。運動会ではモンゴル相撲をします。市街地に住むモンゴル族は一般的な集合住宅などに住み、料理もモンゴルの特徴は強くありません。学校ではモンゴル語や文字も学習しますが、共通語で学習します。民族衣装を着る機会もあまりありません。運動会は陸上競技などをします。
満族は清朝を築いた民族です。瀋陽故宮は清朝の皇居で、北京の故宮より規模は小さいですが今も観光名所となっています。故宮の様子に関心がある人は中国の人気ドラマの「Story of Yanxi Palace (延禧攻略)」を見るのがおすすめで、衣装や生活を見ることができます。
現在の中国の一般的な日常生活
高速鉄道が発達し、日本よりも安い運賃で移動できます。街中ではレンタサイクルが普及してきました。このシステムは「最後の1キロ」と言われていて駅から目的地など短距離を移動するのに便利に使われています。最近はレンタカーもあります。どちらもスマホで利用登録します。ネットショッピングもさかんで、いろいろなことをスマホ決済することもできます。出かけるときはスマホさえあれば済むほどです。
中国人の1日は公園で始まります。公園では、誰かが音楽を用意してくれて踊ったり、太極拳をしたり、床屋さんが散髪していたりします。その後、朝市で買い物をしたり、朝ご飯を買ったり食べたりして出勤する人もいます。踊りや太極拳は観光客でも飛び入り参加できるそうです。
中国のスーパーマーケットはディスプレイに特徴があって、商品(竹マットやトイレットペーパーなど)をマネキンに服のように巻きつけるのをよく見ます。また、中国料理では油をよく使うので、5リットル入りのボトルが普通です。
北部の中国料理は4つの系統に分類できます。
①山東菜系 歴史が長く、明・清の時代には宮廷料理としても食された。濃厚な味わいとニンニクを多用した香りが特徴。
②四川菜系 唐辛子、胡椒を多用した辛い料理が多い。辛いだけでなくその中に複雑な味わいもある。盆地で湿潤な土地柄から発汗を促す料理が確立したとも言われる。
③江蘇菜系 江蘇省発祥の料理。江蘇料理の特徴は、包丁技に優れ、見た目美しく、料理に適した火力、色は薄く、食材の持ち味を活かし、あっさりと調理する。甘辛い味付けも多い。スープを重視し、原料の食材の旨味が出るよう工夫し、素材の味が素直に出るように仕上げる。
④広東菜系 「食は広州にあり」と言われるほど食材が豊富なエリア。それだけに、素材の持ち味を増幅させる、あっさりした味付けが特徴となっている。
漢服
漢服の紹介を中心に中国文化を伝える活動をしている杨颖さん。
8人のモデルさんが各時代の美しい漢服を着て紹介してくださいました。
各時代の特徴があり、スカート部分の位置が上下したり、袖の太さが違ったり世相を反映しています。
■前回のベトナム編の様子はこちら