2021.12.18世界をのぞこう!グアテマラ特別編

毎回その国の出身者や滞在経験のある方をお招きして、現地での生活や文化についてのお話しを聞くイベント「世界をのぞこう!」を開催しました。

今回はグアテマラ特別編!現地で暮らす講師にお話ししてもらい、現地の子どもたちと交流しました。
日時:2021年12月18日(土) 10:00~11:30
講師:近藤咲さん(グアテマラにて教育活動中)

近藤さんはJICA隊員として2年間サンティアゴ・アティトラン市の小学校で活動をし、2018年に帰国されました。今年再度グアテマラに渡航し、現地の子どもたちへの教育活動をしています。
近藤さんには昨年も世界をのぞこう!の講師をお願いしましたが、今回は現地にいるからこそのお話し、企画をしていただきました。

今回の世界をのぞこうは二部制。第一部では近藤さんや現地グアテマラ人の子どもたちによる、活動・文化についてのお話を聞きました。

【第一部・近藤さんの活動について】
近藤さんはJICAでの活動を通して、グアテマラの長年の課題となっている勉強したくてもお金がなくて学校にいけない子どもたちの現状を目の当たりにしてきました。そして子どもたちに勉強を通して希望を持ってもらうために活動したいと、今回再度グアテマラ・サンティアゴアティトラン市に渡ることを決めたそうです。
現在、夢をもって努力している子どもたちが勉強を続けられるよう資金や勉強のサポートをする仕組みをつくるために活動しています。
その一環として近藤さんは、日本人も巻き込んで現地の子どもたちに2か月間の英語レッスンプログラムを行いました。
プログラムが始まった当初は簡単な英語も話せなかった子どもたちが、終わる頃には大きく成長したそうです。

【第一部・現地の子どもたちによるグアテマラや自分たちの紹介】
第二部の後半では、近藤さんが教育支援をしている子どもたちが自分たち自身やグアテマラについて英語で紹介してくれました。
・マリアロサさんはサンティアゴアティトラン市名物の食べ物「パティン」を紹介してくれました。葉っぱをお皿代わりに、トマトソースにいろいろな具材を入れたものをトルティーヤと一緒に食べる料理です。
・子どもたちが仕事をしていることも珍しくないグアテマラ。エリカさんとイスマエルくんが自分の仕事について話してくれました。
12歳のエリカさんの仕事は民族衣装の刺繍とビーズ製品の作成です。ビーズでできたとてもきれいなハチドリと、カラフルな鳥や花の刺繍を見せてくれました。
イスマエルくんは大工の仕事をしています。自分の仕事が好き、と言っていたのが印象的でした。
・次にマグダレナさんがグアテマラの小学校生活について紹介してくれました。グアテマラでは午前の学校と午後の学校に分かれていて、マグダレナさんは午後1時に学校に行くそうです。

・公用語のスペイン語以外に話されているマヤの言語のひとつ「ツトゥヒル語」を教えてくれたのはディエゴダビドくん。数字や動物の言い方を参加者みんなで真似して言ってみました。
・最後に近藤さんと一緒に活動しているロサさんから、グアテマラの自慢できるところ、教育の現状のお話を聞きました。カラフルな民族衣装が素敵なグアテマラ。その一方で仕事がなく貧困に苦しむ子ども、家族もたくさんいます。第一部でのこのロサさんの話や実際に現地で生活している子どもたちの姿を通して参加者からは「日本の当たり前が世界の当たり前ではないとわかった」といった感想が寄せられました。
第一部最後の質問コーナーでは、去年世界をのぞこう!に協力してくれたリセちゃんも登場。チャットで受け付けた質問に答えてくれました。

【第二部・日本からの参加者と現地の子どもたちの交流】
第二部では参加者のみなさんと現地の子どもたちがブレイクアウトルームに分かれて、少人数で交流しました。
地球の裏側にいる人とつながって話ができるのはオンラインならではの良さですね。
日本の折り紙を紹介したり、グアテマラのクリスマスについて聞いたりとそれぞれのグループが交流を楽しみました。
最初は緊張気味だった日本人の参加者の方々も、グアテマラの子どもたちが一生懸命自分たちのことについて話してくれるのにつられて緊張がほぐれ、時間が足りなくなるぐらい話が弾んでいたようです。
参加した皆さんからは「グアテマラの子たちと話せてよかった」「話してみるとあっという間だった」などの感想をいただきました。

今回の「世界をのぞこう!」は講師が海外からお話をしたり、参加者と現地の方と直接お話をしたりと初めての試みが盛りだくさん。
コロナでできなくなってしまったこともありますが、オンラインを使って新しい取り組みができるようになったことを実感したイベントでした。

前回の「世界をのぞこう!」はこちら

2021.07.11KIFAV文化交流グループ 異文化交流会(フィリピン)

コロナ禍でも自分たちにできる交流を!ということで、KIFAV文化交流グループと刈谷市のフィリピンコミュニティ・SBKのメンバーがコラボして、オンラインで異文化交流会を開催しました。
【文化交流グループ 異文化交流会(フィリピン)】
日時:2021年7月11日(日)13:00~14:00
開催方法:Zoomミーティング
内容:
・SBK バルさんのフィリピン文化紹介プレゼンテーション
・SBKメンバーによる歌やバンブーダンスの紹介
・フィリピン語であいさつをしてみよう
・フィリピン パナボシティより、イアンさんのプレゼンテーション など
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最初のバルさんプレゼンテーションでは、フィリピンのビーチや観光地の紹介、衣食住、遊びや祭礼などについての紹介がありました。
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SBKメンバーによる歌の動画には、刈谷を離れた元SBKメンバーも参加してくれました。
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フィリピン語にチャレンジ!では、4つのあいさつ表現(こんにちは/私の名前は○○です/ありがとう/さようなら)を教えてもらいました。
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また、フィリピンに帰国して地元の高校で働くイアンさんからは、現在住んでいるパナボシティの紹介、ナイトマーケットの様子や普段の食生活など、フィリピンの「今」を伝えてくれました。これはオンラインイベントならではの良さですね!
文化交流グループは今年度になってZoomを使い始めたばかりで、操作に慣れずにドキドキする場面もありましたが、みんなで協力しあって、にぎやかなオンラインイベントになりました。これからも楽しいチャレンジを続けていってくださいね! Salamat po!

 

2021.06.26世界をのぞこう!~ドミニカ共和国編~オンライン

毎回その国の出身者や滞在経験のある方をお招きして、現地での生活や文化についてのお話しを聞くイベントです。

今回は新型コロナウイルスの感染拡大防止の為、オンラインイベント(ZOOM)での開催となりました。

今回は「ドミニカ共和国編」
Googleアースで美しい海と自然を案内していただいたり、家庭料理の紹介などもしていただきました。

☆日  時:2021年6月26日(土) 
      10時30分~11時30分
☆講  師:山田 修土 さん JICA海外協力隊OB
               (食用作物、稲作隊員)

    【ドミニカ共和国のリアリティ】

エスパニオール島(カリブ海に浮かぶ2番目に大きい島)
の中にあり、首都:サント・ドミンゴ
面積:九州+高知くらいで人口は1073万人、言語はスペイン語 
主要産業は農業、観光業。

◎日本との接点
《カカオ豆の輸入》日本はドミニカ共和国から沢山のカカオ豆を輸入しています。国別では5位となっていて、最近では明治乳業がチョコレート「THE」でドミニカ共和国のカカオ豆を使ったチョコレートを販売しています。明治乳業はドミニカ共和国をはじめ各国のカカオ農家へ様々な支援をしているそうです。
《プロ野球》日本のプロ野球選手に多くのドミニカ共和国の選手が在籍しています。これはアメリカについで2番目に多く、現地には広島東洋カープの選手育成施設があるそうです。
《日本からの移住》戦後、国の方針でドミニカ共和国へ仕事と土地を求めて、1500人の日本人が移住しました。しかし不毛の地であったため多くの人は帰国又は別の土地へ移住しました。残った500人ほどの人は困難に立ち向かいながらもそのまま農業開発をつづけ、現在は孫世代が暮らし、その方たちの学校がいくつかあるそうです。

◎ドミニカ共和国での住環境と食事
建物はコンクリート建築で壁の色がカラフル、防犯のため道路
側は鉄格子、道路はガタガタ、地方は行政があまり機能してい
ないようでゴミが散乱しているところもある。木造建築で電気
も水道もないところもあるそうです。部屋の壁が途中までしか
なかったり、週に1回は停電があり多い時は週5停電していて
不便ではあるが、現地の人はあまり気にしていないようです。
主食は米、芋、バナナ類で、お米の炊き方が日本とは違って鍋
に塩と油を熱して水を入れてお米を入れて炊くそうです。
朝食は軽くコーヒー、ビスケット、エンバナーダ(ドミニカ共
和国のファストフード)などを食べ、朝から農作業などがある
時はエナジードリンクとビスケットなどを食べる事もある。
は3パターンで、①ごはん+アビチュエラ+おかず②モロ
(豆ごはん)+おかず③ロークリオ(肉の炊き込みご飯)夕飯
は主食はバナナ類や芋類とサラミ、目玉焼き、チーズ揚げ、昼
食の残りなど。朝食と夕飯は少なく昼にしっかり食べるスタイ
ルでサラダは価格が高いのであまり食べられていないそうです
。田舎に行けば行くほど余暇の概念はなく特別な事はせず、友
人と話す、スマホをいじる、テレビをみる、散歩などして過ご
しているそうです。
年に一回から二回お祭りもあり、テレビはメジャーリーグが
放映されていた。首都には何でもあり日本料理店、IKEAなど
もあり地下鉄も通っています。モールの店ではドミニカ共和
国でしか採掘されていないラリマーという世界三大パワース
トーンを販売している店もあったり、環境を意識した取り組
みがされており色々なものが量り売りされていて、シャンプ
ーなども量り売りされていて驚いたそうです。

  【稲作隊員って何するの?】(山田さんの活動)

専門知識のないまま我流で稲作をしている農民に対して栽培技
術、知識の共有を通して米の収穫量増加、品質向上を目指し、
農家さんの収入向上に協力するためボランティアで派遣されま
した。現地の農協のような場所で活動していて、各問題点、収
穫までの稲作のワンポイントをパンフレットにして作成し、座
談会を行い農家さんに伝えていました。種子選抜や感染種子の
消毒を行っていなかったので、紹介しながら自分でも種子選抜
の実験を進めていたがコロナで途中帰国。帰国後はオンランで
パンフレットの修正やニーズの調査を行ったり、ホームステイ
先の家族や配属先の同僚とのコミュニケーションを続けていた
そうです。他には技術補完の研修を受けたり、実家近くの農家
さんのお手伝いをしながら日本の農業の勉強を続けていらっし
ゃるそうです。

   【ソウルフード(アビチュエラ)のレシピ】

アビチュエラは豆の名前でもあり、ドミニカ共和国の家庭料理
で毎日のように食べられていて、家庭によって味が異なり日本
でいう味噌汁のようなものだそうです。今回は講師の山田さん
のホストファミリーのお宅で作られていたアビチュエラの紹介
をしていただきました。

《材料》小豆(水煮又は一日水に浸けたもの)、ニンニク、カ
ボチャ、玉ねぎ、しし唐、コンソメ、お好きなハーブ( ロー
リエ、オレガノ、コリアンダーなど)、トマトピューレ

1.野菜を細かく切る 2.油ニンニクを入れ加熱する3.玉ね
ぎ塩を入れて炒める4.しし唐を入れ炒める5.トマトピュー
レ(大さじ2~3)をいれ加熱する6.ハーブ調味料を入れる
7.小豆、水(水加減はお好みで)を入れて野菜が柔らかくな
るまで2時間ほど煮る。(味が薄かったらお好みで塩を振って
もおいしい)

いろんな味のアビチュエラがあり、首都などの町では自然由来
のニンジンやかぼちゃを使わず着色料込の調味料で調理してい
そうです。

    【Googleアースで疑似旅行体験】

ボカチカ 首都の一番近くにり地元の方も訪れる海。
プンタカナ ドミニカ共和国最大のリゾート地、国の東側に
あり欧米人の観光客が多く、何でもそろっていて、マリンアク
ティビティやヘリコプター、スカイダイビングなどもできる。
スケープパーク プンタカナの近くにあり自然を生かしたア
クテビティ(洞窟探索、トレッキング、馬で森林散策、ジャン
グル抜けなど)ができる。
・カジョアレーナ 砂の島と呼ばれ有名で海の家のようなもの
もあり一日ゆっくりできる。
・ピコドゥアルテ 登山が好きな方におすすめでドミニカ共和
国で一番高い山(標高3080m)行くときはツアーの申し込
みが必須。
サルトエルリモン サマナ半島にある滝(ドミニカ共和国で
一番落差が大きい)、滝までは馬に乗って山を散策しながら滝
を目指すので行くときはツアーの申し込みが必要。
トレ・スオホス(スペイン語で三つの目という意味で目は湖
を表しています)首都近くで自然体験できる場所で現在はもう
一つ湖が見つかって4っつになったそうです。日によって湖の
色なども変わって面白く公園の中にあるのでとても癒されるス
ポット。
サナコロニアル(植民地ゾーン)南北アメリカを含めて一番
古い教会、修道院、大学、病院、ストリートの最古のものが
集まっている場所で、ドミニカ共和国で唯一世界遺産に登録さ
れている地域。

オンラインでのイベントで時間が少し短くなり、今回紹介しき
れなかった話や場所もあり、参加者の皆さんも時間があれば山
田さんのお話しをもっと聞いていたい様子でした。

★前回の様子はこちら



2021.03.07KIFAV国際イベントグループ オンライン座談会

KIFAV国際イベントグループは、地域に住む日本人と外国人が共に参加し交流できるイベントを企画・実施しています。

例年は12月に刈谷市総合文化センターで「国際交流フェスタ in KARIYA」を開催していますが、2020年度はコロナ禍のため中止になってしまいました。対面でのイベントが難しい今できることを考え、オンラインによる座談会を実施しました。

座談会には国際イベントグループメンバーと、以前日本に住んでいて、現在はベトナムに帰ったニュンさんが参加し、ニュンさんから見た日本のいいところや心に残った思い出、両国の価値観の違い、ベトナム人と日本人が仲良くする工夫などを、質問形式で聞きました。

座談会の様子はこちらから見ていただけます。

オンライン座談会 前半 / 後半 

2021.02.07KIFAボランティア研修会「使ってみよう やさしい日本語」

刈谷市国際交流協会では、毎年ボランティアのスキルアップを目的とした研修会を開催しています。今年のテーマは「やさしい日本語」。「やさしい」とはどういうことか、その必要性や活用方法について実践を交えながら考えました。初めてオンラインで研修会を行いましたが、協会親善ボランティアをはじめ、一般市民の皆さんや市外からの参加もありました。

日時:2021年2月7日(日) 13:30~15:00
場所:オンライン(ZOOM)開催
講師:御舘 久里恵(おたち くりえ)さん
   (一般財団法人 自治体国際化協会 地域国際化推進アドバイザー)

まず「やさしい日本語」の基本について御舘さんからお話がありました。
多くの外国人が地域に暮らしている現在、自治体や医療現場などから多言語で情報提供することは有効である一方、「すべての言語を翻訳するには限界がある」「緊急時には、翻訳する分の時間的ロスがある」などの課題があります。
しかし、日本に暮らす外国人の約6割は日常生活に困らない程度に日本語を理解することができる、という調査結果もあり「やさしい日本語」を情報提供手段の一つとすることでその課題に対処することができます。
やさしい日本語が生まれたきっかけになったのは、阪神大震災。当時被災地に住んでいた外国人が、ニュース速報などの情報発信に使われる難しい日本語がわからず被害が出たという事例から、外国人によりわかりやすく、すばやく情報を伝えるやさしい日本語についての研究や実践の試みが始まりました。震災から25年以上経った現在では、多くの自治体でやさしい日本語を使った情報提供が行われています。
では、やさしい日本語を使うときのポイントは何でしょうか。まず、話を聞いているということを示すこと、完璧を求めないことなど相手を思いやる姿勢が大切です。また実際に話すときには、大切な情報だけ伝える、結論を最初に言う、主語をはっきりさせるなどの工夫ができます。普段日本人同士で話すときには曖昧な表現をしがちですが、それでは外国人には伝わらないことが多々あります。また、意外だと言われるのがカタカナ語をなるべく使わないこと。元の言語での意味と日本語で使われるときの意味が違っていたり、和製英語だったりするからです。

講座の後半では「やさしい日本語に挑戦!」と題して、事前課題として御舘さんから出題された様々な日本語をやさしい日本語に言い換えてみました。オンラインのため、答えはみなさんチャットに送ってもらいました。他の人はこの言葉をどうやって「やさしく」するのか見てみるのも、新たな気づきにつながりますね。
次に参加者数人ずつのグループに分かれて、マンションの郵便受けに届いた「断水のお知らせ」をどうやって近所の外国人に説明するかを考えました。どの情報が必要か?どうやって伝えれば良いのか?それぞれのグループで話し合いました。自身が断水を経験したことがあるか、マンション住まいかどうかで、参加者の間で必要だと思う情報に違いがあったグループもありました。

終了後のアンケートでは
相手がどのくらい理解しているかによって言葉を選んで会話をする事が大切だとわかった
新しい気づきがたくさんあったので、今後、日本語が母語でない方々との交流に生かしたい
など嬉しい言葉がたくさんありました。
やさしい日本語を使うときには情報や言葉の取捨選択が必要ですが、それぞれ必要な情報や日本語レベルは違うため、やさしい日本語に正解はありません。しかし御舘さんのお話から、難しく捉えすぎず、まず相手の立場に立って考え相手の話をしっかりと聴く姿勢を持つことが、やさしい日本語への第一歩だと改めて理解できました。今回の講座が、みなさんが「やさしい日本語」について考えるきっかけになれば嬉しいです。

<講師プロフィール> 御舘 久里恵(おたち くりえ)さん
 鳥取大学教育支援・国際交流推進機構国際交流センター准教授。大学在学中より日本語ボランティア活動を始める。博士課程在学中の1999年度から大阪府にあるとよなか国際交流協会での日本語活動にアドバイザーとして参画し、地域日本語教育のあり方を模索した。2003年に鳥取大学に着任し、留学生対象の日本語教育、全学生対象のグローバル教育、日本語教員養成科目等を担当する一方で、地域日本語教育にも、実践・支援者養成・研究の面から関わりを続けている。2010年に『外国人と対話しよう!にほんごボランティア手帖』(凡人社)を共著で執筆。2015年度より一般財団法人自治体国際化協会 地域国際化推進アドバイザー、2016年度より文化庁地域日本語教育スタートアッププログラムアドバイザーを務める。

2021.01.30Zoomでナマステ★インディア

今年は新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、例年秋に開催しているナマステ★インディア in KARIYAは中止となりました。ナマステでも人気のインド式算数と文化紹介の2講座を開催し、まだまだ旅行ができない今、自宅でインドを感じてもらいました。


①やってみよう!インド式算数
時間:11時~12時
講師:ティワリ アミットさん(インド人・刈谷市在住)
参加人数:12名 

12月に子どもを対象としたインド式算数講座の第2弾。今回はどなたでも参加OK、レベルアップした内容でした。〇〇×11や〇〇×99、同じ桁同士の掛け算を早く解く方法や、チャレンジ問題にも挑戦。アミットさんの「さぁ、やってみましょう。わかった人は、手を挙げてくださーい。」という言葉に、参加者の皆さんは真剣に... できた人が次々と手を挙げていきます。その姿を画面越しに見るアミットさんも笑顔になっていきました。参加者の中には子どもたちもいて、一生懸命問題を解く姿が印象的でした。


②インド文化入門  写真:インド地図.pngのサムネイル画像のサムネイル画像
時間:13時~14時30分
講師:高倉 嘉男さん
(インド映画研究家・豊橋中央高校校長)
参加人数:16名

インドで10年以上暮らしたインド映画研究家の高倉嘉男さんを講師に迎え、住んでいた首都デリーを拠点に、月ごとに旅に出るという趣向でお話してもらいました。
ヒマラヤ山脈の近くの高地、中西部の砂漠、最南端の日の出と日の入りを両方みられる岬など、月ごとに、観光するのにおすすめの場所や、旬の食べ物、宗教にちなんだ祝祭・祝日などを写真とともに紹介していただきました。
コロナ禍で実際の海外旅行に出られない今、オンラインで疑似旅行に行くような気分を味わいました。県外やインドからの参加もあり、オンライン開催ならではの新しい時代を感じました。



2020.12.26やってみよう!おうちでインド式算数

冬休みの子どもたちを対象に、オンラインでインド式の計算方法を教えてもらう講座を開催しました。

◆日時 2020年12月26日(土) 10時30分~11時15分
◆対象 小学生・中学生
◆開催方法 Zoom(オンライン)
◆講師 ディワリ アミットさん (刈谷市在住)
◆参加人数 14人


最初は、九九の計算です。
九の段の計算の仕方を教えてもらいました。両手を使って、カウントした指の数と残った指の数で答えがわかります。

次に、一桁の長い足し算の答えを簡単に出す方法です。
ポイントは数字を縦に並び変えること。やってみよう!インド算数2.png
下からひとつづつ足していき、10を超えると横線を入れていきます。最後まで足していき、出た一の位の数字と、横線がいくつあったかが、答えになります。

二桁の掛け算もインド式に考えると、簡単に答えを導き出すことができます。図(右横)のように、最初の数字から-1をして、数字を分けて計算します。

問題を提示するたび、「わかった人手を上げて下さーい。」と呼びかけるアミットさん。
はい、はい、はい、っと画面の向こうで次々に手を上げていく子どもたち。
「いいですね~。いいですね~。」と笑顔で応えるアミットさん。
この楽しそうなやり取りが何度も見られました。
 
アミットさん曰く、このような問題の解き方や考え方は学校で習ったのではなく、両親からの教えや風習として知っている知識だそうです。インド人は皆、学校で習うのかと思っていたので、びっくりです。今回の講座は、協会初となるZoom開催でした。スタッフが不慣れだったため、アミットさんには何度も事前打ち合わせをお願いし、当日もスムーズにすすんでいくか、どきどきでした。。。
参加してくれた子どもたち、ありがとうございました!

2020.12.19みんなのための防災講座

日本人と外国人がいっしょに災害について学ぶ「みんなのための防災講座」を実施しました。
★日時 2020年12月19日(土) 10時~11時30分
★場所 国際プラザ
★講師 五十嵐克巳さん(刈谷市危機管理課 防災専門員)

自衛隊員として阪神淡路大震災での救援活動で活躍された経験もある五十嵐さんを講師にお招きしました。
まずは地震についてです。
家にいるとき、外出しているときに地震が来たらどうしたらいいのでしょうか。自分の体を落ちてくるものから守ることが大切です。スーパーのかごやクッションなど、身近なもので体を守ることができます。
次に、大きな地震が発生しそうなときに流れる緊急地震速報の音声を聞きました。急にスマートフォンやテレビからいつもと違う音がしてパニックにならないよう、どんな音が流れるか知っておくことも大切です。
そして、約25年前に起こった阪神淡路大震災が発生したときのコンビニの映像を見せてもらいました。こんなに大きな地震が刈谷市にも来るかもしれないと思うと心配になりますが、しっかり準備をしておこうという気持ちになりますね。

次に、台風や大雨についてのお話を聞きました。
日本には毎年大きな台風が来ます。刈谷にはあまり被害が出ないことが多いですが、油断は禁物です。
逃げるときには長靴ではなく運動靴で逃げること、体が不自由な人や小さい子供がいる人などは早めに高いところに逃げることなどを教えてもらいました。
避難してからもやることがあります。避難所で自分や家族を登録する必要があります。
今回はみんなで避難所登録用紙を書きました。家族の電話番号など、その場でわからないこともあるため事前に書いておくと安心です。
そして刈谷市では、外国人が避難所で会話に困らないように「コミュニケーション支援ボード」が用意してあります。日本語が苦手な人も、避難所で困ったことがあったらこれを使って伝えることができます。

講座の後半ではグループで洪水ハザードマップをつかってお互いに自分の家の場所、近くの避難所2か所、そして避難所に行く道をチェックしました。避難所への道は、色がついているところ(危ない場所)を避けなければいけません。
地図で確認したら今度は実際に歩いてみて、倒れてきそうなものはないか、近くに川はないかなどを見てみることも大切です。
そして刈谷市の災害などの情報を受け取ることができるメール配信サービスに登録しました。
日本語、英語、中国語、ポルトガル語、ベトナム語で情報がもらえます。

講座の最後には
「車を運転しているときに地震が来たらどうしますか?」「家から遠いところで災害にあったらどうしたらいいですか?」
など、参加者の皆さんからさまざまな質問がありました。
この講座が、防災意識を高めるきっかけになればうれしいです。

2020.12.13刈谷初期日本語教室「はなそう にほんご」

今年度より刈谷市が始めた地域日本語教育推進事業の一環として、市内に住むほとんど日本語がわからない外国の人を対象にした対話型の日本語教室「はなそう にほんご」を、10回にわたり開催しました。

◆日 時:2020年9月20日~11月29日(全10回)
     毎週日曜日 13:30~15:00

◆場 所:刈谷市国際プラザ 201会議室

◆各回のテーマ
 第1回:オリエンテーションと自己紹介
 第2回:私の一日
 第3回:家族
 第4回:住んでいるところ
 第5回:復習と発表
 第6回:食べ物
 第7回:旅行
 第8回:行きたいところ、したいこと
 第9回:復習と発表の準備
 第10回:発表とふりかえり

 この「はなそう にほんご」は、日本語がほとんどわからない初期レベルの人が、日常生活の簡単な表現を理解して話すことができるようになること、あいさつや自己紹介ができるようになって地域の人と関係がつくれるようになることを目標にしています。
 新型コロナウイルスの感染拡大が心配される中での開催となったため、フェイスシールド着用(飛沫防止)、検温などの健康チェック、換気、共有物の消毒などの感染防止対策をとった上で実施しました。
 教室には、市内在住のフィリピン、中国、ベトナムの人たちが参加しました。教室には学習者の日本語学習をサポートする日本語パートナーが参加し、学習者とペアになり、毎回ひとつのテーマについて、お互い自分のことについて話します。言いたいことが伝わらないときには、絵や写真、ときにはジェスチャーを駆使したり、パートナーがかんたんな日本語表現に言い換えたりして伝え合います。こうしてコミュニケーションをとることで、学習者は少しずつ日本語を理解していき、自分の使いたい日本語を覚えていきます。
 教室の進行は指導者である教室コーディネーターが行い、指導者の補助をする補助者と共に、教室活動をスムーズに進めました。また、教室コーディネーターは毎回の教室後にパートナーとのふりかえりを行い、活動の中で困ったことや気づいたことなどを共有し、次回以降の教室活動に反映させたり助言をするなどして、教室全体の運営を行いました。

コースふりかえり4.jpg
 

 回を重ねるごとに皆が顔見知りになり、教室は打ち解けた雰囲気になっていきました。最終日には成果発表会があり、全員自分の好きなテーマをひとつ選び、自作のポスターを使って日本語で発表しました。普段はなかなか積極的に話せなかった学習者も、何度も練習したことで自信がついたようで、みんなの前で堂々と発表することができました。出席率が高かった学習者には修了証が、パートナーには、学習者からのお礼のカードが手渡されました。
参加者からは、
「日本での生活を良くしたくて参加した。指導者やパートナーの皆さんがとてもやさしくて、毎回リラックスして参加できた。」(学習者)
「外国の皆さんが日本での生活が楽しくなるようにお手伝いしたいと思って参加した。自分が想像していた以上に外国人が不便な環境下で生活や仕事をしていることを知った。やはり直に会って話す機会があるのはよかった。」(日本語パートナー)
などの感想が聞かれました。このような活動を通じて、地域の外国人が日本で生活する上での大変さを思いやる人が増え、支援が進み、誰もが住みやすい刈谷市になっていくことを期待します。 

2020.11.08インド アートペインティング~ニレン先生と絵をかこう~

小学生を対象にインド人画家のニレンさんと一緒に絵を描くイベントを開催しました。

日時:11月8日(日)13時30分~15時
場所:刈谷市国際プラザ 
対象:小学生1~6年生
参加人数:8人

まずは、受付でニレン先生にヒンディー語で名前を書いてもらいました。初めて見る自分の名前のヒンディー語にとってもうれしそうな子どもたち。名札を胸に貼りテーブルへ。

さぁ、インド アートタイムスタート!
インドの雑誌や本を見ながらイメージを膨らませ、えんぴつで下書きをしていきます。
カレー、タージマハル、王宮、動物やインド国旗など、自分の好きな絵を選び、みんな真剣にとりかかっていました。

写真:インドアート.jpg
途中には、インドクイズもありました。
ニレン先生が緑とオレンジの丸を手に、これは何に見えますかー?信号ではないですよ~!

写真:インドアート2.jpgのサムネイル画像

正解は、ベジタリアン商品(緑)と肉類使用商品(オレンジ)がすぐわかる印です。インドのマクドナルドのメニューは2種類あるそうです。スーパーで売っている商品にも、緑とオレンジの印が付いています。面白いですね!
写真:インドアート4.jpg写真:インドアート3.jpg

えんぴつ描きができた子は、いよいよポスターカラーで色付け。写真を見ながら色を塗る子、好きな色で塗っていく子、塗り方もペースも自由!
子どもたちの絵はニレン先生がアドバイスしたり、一緒に塗ったりしているうちに、絵にスパイスが入ったように変わっていきました。   

IMG_6790.JPG 写真:インドアート5.jpg

楽しい時間はあっという間。
最後は、描いた絵を持ってハイポーズ♪ ナマステ~。


■ニレン先生の絵画教室HP:https://www.nirenbhat.com/
■前回の様子はこちら