2023年度は、刈谷市国際交流協会が1983年に設立されてから40年を迎えます。日頃よりご支援いただいている会員の皆様、総会にご出席くださった会員の皆様に、あらためて感謝申し上げます。
協会設立40周年となる今年度は、以下の日程で刈谷市国際交流協会総会を開催しました。また総会後には、漫画家・タレントの 星野ルネ(ほしの・るね)氏を招き講演会を開催しました。
■日時:2023年4月22日(土)
○総会 14:00~
○記念講演会 14:45~15:45
■場所:市民交流センター4階 ホール
総 会
1.会長挨拶
2.議 事
①2022年度刈谷市国際交流協会事業報告
②2022年度刈谷市国際交流協会収入支出決算
〔監 査 報 告〕
③2023年度刈谷市国際交流協会事業計画
④2023年度刈谷市国際交流協会収入支出予算
表彰式
当協会は、協会運営やミササガ市との姉妹都市交流・多文化共生推進の事業において、多くの方のご尽力やご協力により運営してきました。これまで多大なご貢献をいただいた方や団体に感謝を込めて表彰式を行いました。
○表彰状授与者の皆様○
永田 靖章 様(刈谷市国際交流協会前会長・愛知教育大学名誉教授)
刈谷市国際交流協会親善ボランティア 様(文化交流G・日本語支援G・国際イベントG・通訳翻訳G・ホストファミリーボランティア)
スリーエス 様(外国につながりを持つ児童・生徒のための放課後教室・取り出し授業)
講演会
講師:星野ルネ(ほしの・るね)氏 漫画家、タレント
演題:『アフリカ少年と考える多文化共生』
講演会では、カメルーンで生まれ日本で育った星野ルネ氏が、自身が経験してきたユニークなエピソードを交えながら、私たちが生きる社会で多文化共生を実現していくためにどんな考え方や行動が必要かについてお話ししてくれました。
私たちと違う国、違う文化で育った人の行動は、時に奇妙に見えることがあります。しかし、その行動にはその人たちなりの合理的な理由があり文化的背景があります。バナナの皮を車の窓から捨てるか、捨てないか、日本の常識から言えば「捨てない」ことが正解かもしれません。しかし、カメルーンでは「自然の中に落とせば動物たちのごちそうになる」から「車の窓から投げても問題ない」のです。
自分が育った環境・文化での習慣や行動は絶対に正しいんだと思い込むと、相手と衝突することもあります。「それは日本の常識だけど世界では違う常識がある」からです。はじめから「非常識だ」と決めつけることなく、またステレオタイプに当てはめるのではなく、その人のバックグラウンドを知り理解しようとすることで、寛容になることができます。そこに多様性が受け入れられる社会の入り口があることを、ルネ氏は私たちに示してくれました。
「お客さんが驚くから」とアルバイトを断られた話、「ルネの血は何色なん?」と質問され「ぼくにとっては当たり前だけど、この子にとっては当たり前じゃないんだ」と驚いた話、英語ではなくフランス語が母国語であるのに「英語が話せないの?」と言われる話(ルネ氏はその後英語をマスターしました)など、笑いを交えつつ、多文化共生を考えるうえで必要な多くのことを、私たちに問いかけてくれました。
講演会終了後は出版された本の販売およびサイン会を行い、講演を聞いた多くの方がその列に並びました。ルネ氏は一人一人と言葉を交わしながら、一冊一冊丁寧にサインをしてくれました。
講演会を聞いた方々からは「聞いて良かった」「めちゃくちゃ面白かった」などの感想が聞かれました。
☆星野ルネ氏 プロフィール☆
1984年カメルーン生まれ。4歳の時に母の結婚に伴い来日し、兵庫県姫路市で育つ。高校卒業後、兵庫県内で就職をしたが自分の生い立ちが人々の関心や共感を集めることを発見し、25歳で上京。タレント活動の傍ら、ツイッター上で発表していた自分の日常のエッセイ漫画が話題となり、2018年8月に『まんが アフリカ少年が日本で育った結果』(毎日新聞出版)として出版された。他の著書に『まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編』(毎日新聞出版)がある。メディア出演をはじめ、「毎日小学生新聞」などでの連載多数。